インドネシア首都移転とスールー王国


スールー諸島

こんにちは。義貞です。

さて今日はジャカルタの首都移転について取り上げたいと思います。ジャカルタはインドネシアの首都なので、フィリピンではないのですが、東南アジアの大国であるインドネシアの首都がフィリピンの近辺であるボルネオ島(※インドネシアではカリマンタン島)に移るということで、フィリピンへの影響も大きくなると考えられます。

インドネシアは2億人以上の人口を誇る大国で、1000万人が首都ジャカルタに暮らしています。ジャカルタに政治、金融、貿易、サービスの全てが集中しているインドネシアでは、首都に負担が重くのしかかっており、交通渋滞含めて様々な都市問題が発生しています。加えてジャカルタは湿地にあり、地下水の供給などの面から土地が沈んでいます。タイのバンコクもそうですが、年々沈んでいっているようです。今後、温暖化の影響もあり海抜がどんどん低くなります。

そのような環境面もさることながら、勢いのある経済発展の中で都市と地方、都市の中でも階層が分かれてきています。富の不均衡によって人々の不満や抑圧感が溜まることもあり、インドネシアは首都機能を地方へと移します。その予定地がカリマンタン島東部なのです。

インドネシアの新首都の位置

図を見るとお分かりになるように、カリマンタン島東部は比較的にフィリピンのミンダナオ島に近いのです。これは、なかなか面白いことになりそうだと感じました。というのも、かつてフィリピンのミンダナオ島、パワラン島などを含めて周辺地域はスールー王国という国が統治していたのです。

以前、スペインに支配されていくフィリピンの過程をブログで書きましたが、スペイン統治が完全に進む前のフィリピンには統一体としての国家は存在せず、様々な王国が散在した島でした。

首長制などを取っている集落などもあり、マクタン島の首長ラプラプがいたわけです。その当時ラプラプのみならず、スペインの支配に強く抵抗していた国があり、それがスールー王国です。スールー王国はミンダナオ島西端の諸島群を中心にミンダナオ島やパワラン島にまで拡大したイスラム国家です。

非常に面白いと思うのは、カリマンタン島にあるブルネイ王国と王族関係で仲が良かったらしいです。つまり、カリマンタン東部にも関連性があったということです。加えて当時明王朝であった中国との交易によってスールー王国は一大貿易センターとなり、大きく発展していました。

現在では一部の過激派勢力によってほとんど観光客のいないミンダナオ島西部ですが、インドネシアが首都をカリマンタン島に移すとなると、そこはインドネシア、ブルネイ、マレーシアの3ヵ国の中心地に変わる可能性を秘めています。そうなった場合にフィリピンがその経済圏に参加することのメリットは大きいです。

フィリピンの近代史は、ガレオン貿易によって繁栄し、キリスト教の価値観を強めていく北部マニラと、徹底的に抵抗するも貧しさの中に沈み排除されることによって怨念を強めていく南部ミンダナオの違いにあります。この価値の相克の中で、イスラム国家であり大国であるインドネシアの首都が近づいてきたらどうなるのか。今、新しい歴史の1ページがめくられようとしている感じです。

投稿者: 海外侍 義貞

こんにちは。海外侍の義貞です。Cebu Samurai Warriorsの管理人です。 このサイトでは効率的な英語学習とフィリピン・セブ留学、オンライン英会話の有効性などをメインに紹介していきます。TOEIC 885点。主にユーロ圏との貿易仕事をしているのでマルタ島にも興味あります。シェアリングエコノミー、AI、データサイエンスを駆使した農業も行っていく予定。

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